【自己紹介】
ただの法科大学院生です。法律用語を多用するので変換のためにスペースキーはすごく使います。英語/日本語の切り替えも頻繁に使うので、英語配列は最初から候補外にし、日本語配列オンリーです。誤字脱字に後から気づくことが多く、独立した矢印キーの有無も重視しています。あと静音性も重視。肩こり対策で家では分割キーボードしかほぼ使いません。
分割キーボードは肩甲骨が閉まる感じがしないので本当オススメです。中央にノート置いたり、本置いたり、MagicTrackPadとかを置いたりすることもでき、机の上のレイアウトに幅も広がります。
初めての自作キーボード購入です。おおまかのかかる費用や沼ったときの費用などご参考ください。
【購入に至る理由】
・市販の非ホットスワップの茶軸のキーボードがうるさかったから。
・静音のキースイッチを自前で購入して試そうと思ったから。
・独立した矢印キーがあるから。
台湾メーカーのFILCOのMajestouch Xacro M10SP 茶軸の分割キーボードを24年の6月から使っていました。打鍵感を重視しつつも、クッソうるさいのは嫌なので青軸ではなく茶軸にしました。しかし、茶軸でも十分うるさかったし、打鍵感もそこまで良くありませんでした。
ビデオ通話時は騒音が支障になるので、ビデオ会話中はパンタグラフ式の薄型の無線キーボードを使っていました。その中で、偶然見つけたのが、日本語配列・分割キーボードのアレくとーるさんの「Earth95s」です。2024年9月末に発見しました。
いわゆる自分で組立てが必要な自作キーボードです。ただ組立て代行サービスを使っても合計17,000円とM10SPの22,000円と比べても安かったので、サービスと一緒に購入をするに至りました。追加費用は後述の通りめっちゃかかりました。(初めて出会ったときは売り切れていたため、再販希望を出し、迅速に対応していただきました。)
【自作キーボードキット Eath95s】
Earth95sとは、アレくとーるさんの分割型・日本語配列の自作キーボードキットです。自作キーボードキットとは、基板とかネジが入っており、市販の電子工作部品も買ってきて、ハンダゴテでジュージューして、キースイッチやキーキャップも装着すれば、キーボードになるというやつです。
【Earth95sの良さそうと思ったところ・購入動機】
・分割キーボード
・日本語配列
・オーバーラップレイアウト
・独立した矢印キー
・エンターキーの右側にキーがない(誤爆しないで済む)
・ホットスワップ
・高くなさそう(本体7,000円。組立て代行10,000円)
・キーマップのカスタマイズ性が高そう
【オーバーラップレイアウトとは?】
中央、TとY、GとH、BとNの間に自由に設定できるキーがあるキーボードです。市販の分割キーボードFILCOのM10Sも同様のレイアウトです。ほんっっっとうに便利です。これがない分割キーボードは想像できません。分割キーボードのメリットといえば、このレイアウトができるからです。マジで。
予測変換をするとき、スペースキーでも下にいけますが、行き過ぎてしまった場合に左手の人差し指で上に戻せるんですよ。ひっじょうに便利。もはや不可欠機能です。
LEDライトもある方が良いのですが、M10SPにも付いていないので購入をためらう動機にはなりませんでした。
【自分が掛けた費用】
キーボード本体以外に必要な費用は以下のとおりです。
・キーキャップ 8,000円(2セット)
・キースイッチ 100円×50個+30円×45個=6,350円
・バネ(Durock Gold-Plated Springs Regular 55g 100個入り) 1,700円
・Durock Switch Pads(緩衝材) 770円
・TRRSケーブル 770円
※キースイッチオープナー 4,300円 (千円台の安いのもある)
※引抜き工具 550円
※ルブ(潤滑油) 1,800円 (もう少し安いのも多い)
累計24,240円!!!
(※は他にも使いまわせるものです、キーキャップも実質1セット分しか使っていないので、都合よく計算したら、4,000+6,350+1,700+770+770=13,590円です。)
・キースイッチ Durock T1 Shrimp/Silent Tactile/67g
・キーキャップ FILCO Majestouch交換用無刻印(108キー) ASAGIxGray 2トーン(108キー)
キーボードキットと組立てサービスとを組み合わせると、17,000円+24,240円=41,240円(都合よく計算すると¥30,590円)です。
【安くそろえるとしたら?】
・本体+組立サービス+送料 17,860円
・キーキャップ 無刻印キーFILCO Majestouch交換用無刻印(108キー) 4,055円
(一番下の列がグチャるけど刻印ありが良いなら2色形成刻印ありキー 5,000円)
・キースイッチ・キャップ引抜工具 550円
・TRRSケーブル 770円
・キースイッチ 95個
激安はAliexpressで3,000円以下で100個買えます。
CherryMX系なら10,000円ぐらいで100個買えます。(70個箱入り+10個セット×4個)
・キースイッチ抜き 23,235円
・激安キーキャップ 26,235円
・CherryMXキーキャップ 33,235円
家電量販店系とかYahooショッピングとか楽天市場とかでうまくポイントを組み合わせるともっと安く買えますが、面倒なので省きます。静音でいきたいなら、Cherry MX2A 静音赤軸おススメ。
静音性を求めるならルブもマジでお勧めです。キースイッチオープナーを使わずとも、筆を使って外から中に強引に塗るだけでも効果はかなりあります。
【Earth95s到着&セッティング】
梱包材から開封した姿がこれです。組立て代行サービスも同時に購入したので、すでに組立済みです。感謝感激です。ここからキースイッチとキースイッチを装着、TRRSケーブルとUSBケーブルをつけるだけで使用できます。
キースイッチとかキーキャップを装着するだけで使えると言いましたが、私の場合、緩衝材を貼り付けます。対照実験はしていないので効果は不明ですが気分は良いです。プラシーボ効果は重要。
キースイッチ(Durock T1 Shrimp Silent Tactile 67g)を分解して、ルブ塗り&バネを67gから55gに交換。
キースイッチを装着!ドゥピーン! なんか色々混ざっていますが、数が足りなかったんです。
キーキャップ装着!シャキーン!!
私のキーマッピングです。Google ChromeでEarth95sを接続した状態でマッピングサイトに繋ぐと簡単にできます。WinキーとAltキーは、Mac配列に慣れてしまったので入れ替えています。英数とかなは、Macで使う場合にはFunctionの方から選ぶ必要があります(REMAP要参照)。自分の場合は、M10SPの名残で、中央のキーの大半は矢印キーにしています。右下の矢印キーもちゃんと使ってます。
【良い点】
①独立矢印キーがある
②スペースキーが多い。
③Fnキーがあるがコンパクト
④ロータリーエンコーダー(回すやつ)がある。
⑤傾斜がある。
⑥キーマッピング(設定)が簡単
⑦Macでも問題なく使える
⑧エンターキーの右側にキーがない
⑨日本語配列
①独立した矢印キーがきちんとした形に並んでいるのは非常にポイント高いです。なんで綺麗な矢印キーを入れないキーボードが多いのかが正直自分には分かりません。予測変換で行きすぎたら↑キーは絶対押しますし、文字を打っていても、誤字脱字に気が付いたら、矢印キーを使って移動して修正します。
②「Earth95s」は、Spaceキーが1.25uと1uの2キーに分割されています(1uは正方形のキーと同じ幅/1.25uは1.25倍、1.5uは1.5倍、横に長いという意味)。通常の分割キーボードは、2.25uとか2uあたりのキーがスペースキーに用いられています。余ったキーをBackspaceやEnterに設定することでホームポジションを崩すことなく、入力することができるかと思います。
ただ、自分はまだ模索中でSpaceキーを二つ設定して誤魔化しています。
③Fnキーはほぼ使いません。しかし、あるに越した事はないです。使わなくとも、画面の明るさ調整とかメディアの再生・停止あたりに割り当てれば良いと思います。Fnキーがあるにもかかわらず、M10SPと比べても縦の大きさにほとんど差はありません。
④回すやつが右上にあります。これで音量調整ができます。ミュートも押し込むだけで簡単にできます。
⑤デフォルトで傾斜がある上、ゴム足もついてきます。キーボードの厚みもそこまでないため、これにリストパッドを置くことで快適にタイピングをすることができるかと思います。
⑥キーマッピングが非常に簡単です。Earth95sを繋いだ上で、GoogleChromeのREMAPとかいう何かのサイトにアクセスすることで簡単にキーの設定や割り当てを変えることができます。
M10SPのFILCOにも純正ソフトがありますが、Windowsでしか使えない上に、反応がクッソ遅いし、分かりにくいし、設定できないキーが多すぎるのでカスです(直球)。
⑦Macでも問題なく使える、これも重要。
⑧Enterキーの右側に謎の列はありません。EnterやBackSpaceを押すときに、勢い余って、謎の列にあるHomeとかEndキーにまで指が伸びてしまうんですよね。ある方が好きな人も多いのかもしれませんが、自分は無い方が良いです。
⑨日本語配列であることも重要です。英語配列の方が日本語の100倍バリエーションが豊富なのは承知ですが、記号の位置が今更覚え直せないことと、スペースキーの両隣に変換/無変換キーがなく、切り替えが大変になるので、日本語配列一筋です。
【微妙だと思う点】
①左のシフトキーの大きさが変則的(?)。
②Fn6と数字6キーが右側に置かれている。
③Micro-Bケーブルが左から出ている。
①左シフトキーがEarth95sは2uです。Majestouchとか多くのキーボードの左シフトキーは2.25uのはずなので流用できません。2uのキーキャップがあまり見当たらないので、1.75uの右Shiftキーで代用しています。
【追記】
アレくとーるさん本人から左Shiftキーに使えるキーキャップを教えていただきました。Majestouch108キー入りセットの「テンキーの0」が、ちょうど2uで、角度も問題ないものです。無刻印以外だと「0 Ins」の表記も入ってくるので、安く済ませるなら、個人的には無刻印キーキャップがお勧めかなぁと思ってます。
②まぁ好みだとは思うのですが、Earth95sの6は右側にあります。多くの分割キーボードだと6は左側にあり(追記:JISplit89とか自作分割キーボード系では右側にあるのも多そうです)、市販で日本語配列もあるMD770やM10SPは左側に6があります。M10SPからの移行なので、左側の方がありがたかったです。
なお、オーバーラップレイアウトの良いところで、デザイン的にはアレになりますが、左側に持ってきても特段支障はありません。
③Micro-bケーブルは左から出てきています。TRRSケーブルは上から出ます。L字のMicro-bケーブルを使えば、横に飛び出す問題ある程度は解決できるとおもいます。最近micro-bケーブルがないので、下の写真ではmicro-b⇔usb-c変換アダプタを仲介させています。
【感想・誰にお勧めできるのか】
緩衝材を貼り付けたおかげか、基板がしっかりしていたおかげかはわかりませんが、変なたわみとか反響音は一切なく、シリコンシートが挟まれた鉄板を使っている市販のM10SPと全く遜色はありません。寿司打も問題なくできます。
振り返ってみると金銭面の出費が痛いです。分割キーボードを使いたいだけであれば、FILCOのMajestouch Xacro M10SPが22,000円程で買えるため、安価かつ安牌です。自作キーボードでも、寄り道さえしなければ32,000円程で済むはずです。
【誰にお勧めできるのか?】
2024年11月時点では市販で22,000円程度で買えるFILCOのM10SPではなく、色々と道具の揃える必要のあるEarth95sをお勧めできる人は?
【Earth95sをお勧めできる人】
・Fnキーが欲しい人
・スペースキー2分割されているレイアウトを使いこなせる自信のある人
・独立した矢印キーがどうしても欲しい人
・ロータリーエンコーダーを回してみたい人
・自分で選んだキースイッチを使いたい人
・お金が出せる人
・自分でキースイッチやキーキャップを選ぶことを楽しめる人
・柔軟にキー設定をしたい人
【M10SPで良い人】
・単にオーバーラップレイアウトの分割キーボードを使いたい人
・独立した矢印キーが別に必須ではない人
・キースイッチにこだわりがない人
・自分でキースイッチやキーキャップを選ぶことが面倒な人、良く分からない人
・キー設定をそこまでこだわらない人
・安く済ませたい人
自分としては、独立した矢印キーがかなり欲しかったこと、静音性重視で自分の好きなキースイッチを使いたかったことの合わせ技一本でEarth95sを購入するに至りました。
M10SPの方が見た目も中身もガッチリしていていますが、真ん中のケーブルは独自規格で、断線したら本体丸ごと買い換える必要のあるクソ仕様です。そのため、機能性・利便性だけでなく、修理性もEarth95sの方が上だと思います。そういう訳で、お金と時間さえあれば!Earth95sにチャレンジしてみても良いと思います。
2024年11月2日時点で、アレくとーるさんのBoothにてEarth95sのキーボードキットと組立て代行キットは販売されているので気になっている方は、是非とも購入検討どうぞ。自作キーボードキットなので、そうそう再販は無いですよ!
自分はこれを超えるものが出ない限りは二度とキーボードは買うつもりはないです!だから何個もキーボードを買うよりかは全然安い!
キースイッチで迷走したことや、バネも買ったこと、はんだごてセットを購入したことなどは別の記事で書きます。
分割キーボードの伝道師になろうかな~。以上です。
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